世界でも最も美しい谷の一つとして称されるランタン渓谷。(カトマンズの北40㎞) 特に、モンスーンシーズンにあたる6月~9月前半は、400種類を超える様々な高山植物が一斉に咲き出し、氷河で削られたU字谷を花の絨毯で埋めつくす。

トレッキングシーズンとなる春と秋には、シャブルベンシ村(1400m)を起点に、ランタン川沿いに遡り、同ルートを下るのトレッカーで大変賑わう。

キャンジンゴンパの南側に聳えるぽんげんボンゲンドプク峰とナヤカンガ峰の間を抜けるのがガンジャラパス。

日本人で最初にランタン渓谷に入ったのは1960年代の事。 日本百名山の生みの親、深田久弥氏とその仲間。 当時、所在が不確定だったシシャパンマ峰(8013m)を確認するために、カトマンズからヘランブーの緑豊かな大地を歩き、ガンジャラ峠を越えてランタン渓谷に入ったという

キャンジンゴンパから約3時間。緩やかな草地を抜け、岩稜の左の鞍部を越えた先にBCを設営

ここではランタン渓谷の最奥の村キャンジン村(3800m)からガンジャラ峠を越えて、カトマンズに至るルートを紹介。

夏のヤクの放牧地になる場所を利用してBCを設営。

ガンジャラ峠はランタン渓谷で暮らす人々とヘランブー地域で暮らすタマン族が交流する唯一のルート。 チベット教の神事や通婚のために互いがこの峠を越えて行き来してきた歴史がある。 彼らはわずかな水と食料だけを持って、今でも5000mを超える峠を越えていく。

BC上部は草地の道が氷河末端の岩礫帯まで延々と続く。

トレッキングピークとして知られるナヤカンガ峰に挑む隊は必ずガンジャラHCP(4900m)を設置し、神々しく輝く頂きを目指す。 ガンジャラパスから流れ出る氷河末端のモレーンが目の前に見えてくると、トレイルはサイドモレーンに沿って延びている。 氷河が後退していくなかで、ルートが常に変わるのだろう。 踏み跡が途切れ途切れになっているのでルートを間違えやすい。

音を立てて石が転げ落ちていく様子を何度も見る。

安全なトレイルを探しながら歩くため何度も立ち止まり、周囲全体を確認しながら一歩を踏み出していく。 所々に純白な氷河が瓦礫の下に大きく望める。

眼下にはランタン川の向こうにキャンジンゴンパ村のロッジがはっきりと望める

チベットと国境をなすヒマラヤの大展望が待っている

ナヤカンガ登山隊がBCを置く、ガンジャラHCP(4900m) ここからモレーンの歩きにくい岩稜帯が続く。

岩石で覆われた氷河の上を歩続けると、前方にガンジャラパスが見えてくる。

モレーンの左岸を登りつめ、大きく迂回してガンジャラ峠に至る。 先行して歩くクライミングガイドが登山者とポーターのために大岩に持参したロープを括り付け、ルート工作を行って待っている。 幅30㎝ほどのトレイルを通過するため、両手でロープを強く握り、一人ずつ慎重に岩場を歩く。

峠の南側も切り立ったガレ場。峠の両方にロープを張って慎重に通過

出発して7時間、高山病にかからないようマイペースで登って峠に到達。 今日のキャンプ地をに向かって、再び歩き出す。

ナヤカンガ峰の南東壁についた懸垂氷河

峠の直下にはヒマラヤを代表するセーター系の植物、ワタゲトウヒレンがポコポコと咲いていた。 ヒマラヤの民の間では誰もが欲しがる薬草として珍重される高価な妖精である。

夕方、ナヤカンガ峰を源流とする川の左岸にできた大きな河原の中に設営されたキャンプ地

標高4000mを超えるキャンプ地

朝陽を浴びながらのモーニング

5人のゲストを支えた仲間たち

もうすぐ80歳になる方も無事峠を越えることが出来た

朝食後、身支度を整え次の宿泊地に向かって歩き出す。

ゆるかな稜線歩きが続き、背後にはラムジュンヒマールの峰々が輝いていた。

ヘランブー地域に暮らす民によってトレイルは整備され、歩きやすい。

2日目のキャンプ地から望めたサンセットのロールワリンヒマラヤ

伝統的なタマン族の住居の中で、旅の慰労会! ネパールでは珍しい、床張りの部屋。

絶景の連続! シャッターチャンスばかりのガンジャラ峠トレッキング

 

 

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