No.28

頂上で普通に呼吸できたのが不思議だった。

知人の長崎さんから「ヒマラヤのシャクナゲを見に行きませんか。」と
誘われて即刻「行きます!」

行きつけの酒屋の大将、女将、店員、お客さんまで寄ってきて、
「へえ~、ヒマラヤに!」と周囲の期待も高まるばかり。

さてはるばるのネパールは….

「 咲き乱れ 咲こぼれし シャクナゲの 海に浮かぶや ダウラギリ 」
「 ヒマラヤの 天空に舞う 蝶二つ 」
「 耕して天に至るはネパールの 段々畑は波紋のごとし 」

見渡す限りの山々には、シャクナゲの百花繚乱の海。
そのむこうに浮かぶヒマラヤの峰々。その神々しさに息を飲む。
昨年はシャクナゲの花がまったく咲かず!という。

信じがたきかな!加えて食事。和食のコックさんの料理は、薄味で、
しかも私たちの疲れにあわせたかのように出されてきて、おいしい!
スープはみそ汁、かわいい巻きずし、
地鶏のすき焼きも昔なつかしき味で毎回の食事が待ち遠しい。
この食材も、ポーターさんが汗して運んでくれたもので、
今回ほど人への感謝が染みいる食事はありませんでした。

トレッキングコースも、私たちの年齢・経験にあわせて、
71回目のネパールだという浅原さんの、この地を知り尽くした案内で、
無理がなく安心で、全員が足に痛みも無く
「 こんなんなら次回は、より高地へ!」と
密かなる自信を持ってしまうほどでした。

宿泊地の人びとや、道で行き交う現地の人びととの浅原さんの会話にも、
私たちの全員の信頼の素になっていたように思います!

旅の最後は…天空の段々畑を縫う石の回廊のトレッキング!
まるで空を歩いているよう。出会う現地の人びとのなんとおしゃれで
色鮮やかなことか。道ばたの思わぬわらび狩りは、
その夕餉のおしたしとなって、旅の疲れを癒してくれる春の味となり、
イラクサにそっくりのシスムスもモロヘイヤの味に似て
そのスープはうれしい食膳に。

出会う人びとは、私にとって懐かしい表情で、自給自足の生活を、
家畜と共にゆったり過ごす日々の中にあり、
満たされてもなお渇望感のある便利さの私たちをうらやむことなく、
悠久は我らにありの様。子どもたちも生活を支える労働力として、
当たり前に薪を運ぶ子らに、私の子どもころを重ねてタイムスリップでした。

ただ額の中の写真の青年は、無事の帰国を待たれる異国の傭兵として
留守家族を支えていると聞き、ネパールの現実を思い
知る旅でもありました。

浅原さんと、スッタフのみなさんに、心より ダンニャバード!
忘れ得ぬ旅を ありがとう!
浅原さんの慈しみのネパールをありがとう!
天空のサパナに乾杯!

ネパールの 天空の回廊 石の道 すれ違う女(ひと)の ショール鮮やか
天空の 垂水を受けし 水車小屋 まどろむ老人 ネパールの午後は

2010年 ゴレパニ・トレッキング ご参加

高槻市 山本 様

【サパナから】

トレッキング中、山本様がふと立ち止まって何度も俳句を
読まれていたのを今回ご紹介していただき、
本当にありがとうございます。

句を読むたびに、その時の情景が浮かんできます。

またスタッフが作る食事に関しても、お褒めのお言葉を
頂き本当にありがとうございます。
と同時に更なる食事の腕を上げるよう、
日々努力したいと思います。

今回無事トレッキングができたことも
山本様のご協力があったからです。
本当にありがとうございます。

更なるトレッキングの品質向上のため、
私が率先してスタッフの技量をヒマラヤのように
高めていきたいと思います。

これからもご指導のほどよろしくお願い申し上げます。