カイラス巡礼最大の難所を越える!

世界で最も美しい景色と言われるカイラス北壁に見送られ、暗いうちから歩き出したチベット巡礼者のあとを追うように歩き出す。

ムスタン王国の高僧から頂いたカタ(黄色い布)を巻き付け、旅の無事を願う

ディラプクゴンパ(寺院)から東に延びる巡礼路には、ドルマラ峠を越える道以外にもう一つの巡礼路が延びている。 カンド・サンラム・ラと呼ばれる巡礼路。 カイラス山を13回巡礼した者だけが通過できるという特別なルート。 ショートカットではあるが、ルート上には雪も残り、非常に険しいルートである。 遥か向こうにはこの峠に向かう2人のチベット巡礼者の小さな姿が望めた。

13回巡礼路を歩いた人だけが許される、カイラスの東陵を直接越えて行けるカンド・サンラム・ラ

シワツァル(5290m)と呼ばれる鳥葬場のあと

巡緩やかな登り坂になると、巡礼者が残していった衣服や髪の毛がが散乱するシワツァルに。 かつてここでチベットのお葬式にあたる鳥葬がおこなわれていたという。

巡礼路に残る仏跡地には信者が残すカタ(布)が置かれる

ドルマラ峠を背にして、登ってきた道を振り返る

標高差にして500mだけなのだが、標高5000mを越える世界では一歩を前に出すだけで息が荒くなる。 後ろからやってくるチベット人巡礼者に抜かれながら自分のペースを守り、ドルマラ峠を目指す。


ここがドルマラ峠と思うのだが・・・正確には未だ50mほど登った先である

峠にはパワン・メバルという大きな岩があり、自然に浮き出たというチベット文字【オム】という字があるらしい。 巡礼者はその岩の表面に、お金や写真などを張り付け、頭をこすりつけて祈りを捧げる。

想像するような両側が切り立った険しい峠ではなく、なだらかな峠である
ドルマラ峠の標高は5647mと表示

無事、ドルマラ峠を越えることができたことを感謝し、カイラス山の方角に向かって五体投地を行う。 彼らの祈りは来世への祈りと変わり、懐から出したマニ車(携帯するお経)を片手にお経を唱えはじめ、足早に峠を後にする。

峠の先にはヨクモツォ(ゴーリクンド)と呼ばれる小さな氷河湖が望める。 ヨクモツォには赤ん坊がこの湖に落ちて消えてしまったが、実は仏の化身であったという伝説が語り継がれている。

湖の脇に延びる巡礼路を歩いて宿泊地であるズトゥプクゴンパまで残り16㎞を歩く。

~巡礼6~   ~巡礼8~

 

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