ヒマラヤ専門ガイドの浅原です。

長期間におよぶヒマラヤ出張がやっと終わり、パソコンの前に無造作に積み上げられた書類を片付けています。 一つひとつ書類を片付けていくと、所属している会から送られてきた会報誌が。  そこにはヒマラヤに咲くブルーポピーに関する記事が見開き1ページにわたり大きく掲載されいました。

【青いケシ研究会の地道な活動記録】

ヒマラヤ山麓を彩る無数の花の中でも、人々を一瞬にして虜にしてしまう花、ブルーポピー。 正式名:メコノプシス・ホリドゥラに魅了された方々が中心になって活動するグループ、青いケシ研究会があります。 先日、東京で、様々なブルーポピーの美しさを多くの人に知ってもらう写真展を行ったそうです。  同研究会は定期的に現地を訪れ、現地研究機関と共同で調査を行い、今では80種以上のブルーポピーの種類が報告されています。

私も、大学の卒業論文を書くためにネパール・ランタン谷で長期滞在した時、この花と出会いました。 当時は村で大切に育てられるヤク(高地牛)の放牧範囲を調べるため、牛飼いと一緒に5000mにある天空の放牧地を目指しました。 無数の高山植物に囲まれた中でヤクはのんびりと草を食み、その横で乳しぼりをする牛飼い。 ヤクが歩けない岩場で、偶然にこの花と出会った時のことを今でもはっきりと覚えています。

 

(記事を抜粋)ブルーポピーは平地に咲くケシのことでなく、高地に咲くケシの花のことで、メコノプシスと言う。中国南西部からヒマラヤにかけての標高3000m以上の山岳地に咲く。 青色だけでなく、紫や黄色、白、ピンク、赤、暗赤色などの花を咲かせる。

青いケシは19世紀の終わりごろから、キリスト教伝道者やプラントハンターによって標本や種子が本国にもたらされた。 イギリスでは庭園を彩る貴重な花として青いケシのブームが起こり、数多くの品種が作り出された。 現在はスコットランドのエジンバラ植物園を中心に青いケシ園芸品種の研究が行われている。

1990年大阪で行われた花の万博において、ブータン館で『国の花』として紹介された。 それまでは一部の登山家や研究者の間でヒマラヤに咲く幻の花、憧れの花として知られているに過ぎなかった。

【厳しい環境の下で育つ可憐な妖精】

セロファンの様な透き通った花弁はまるで妖精そのもの。 標高4500mを超える世界で咲く種(メコノプシス・ホリドゥラ)は背丈は15㎝ほどで、冷たい風が当たり難い、南向きの斜面の岩陰で、ひっそりとほほ笑んでいます。 一本の茎の頭には5㎝ほどの花をつけ、露が付かないよう、下向きにほほ笑んでいます。 花の美しさとは対照的に、茎と葉には無数の棘が生えています。

ネパール・ヒマラヤではブルーポピーの代表種であるホリドゥラをはじめ、赤や黄色、白色の花も簡単に見ることができます。 トレッキングコースによってはポピーの群生地を抜けるのに1時間以上かかる所も。

ヒマラヤを歩き始めて26年。 いろいろな所で様々なブルーポピーを見てきた私ですが、どの場所が一番良いか、甲乙つけがたいのが正直なところ。 300~400種の高山植物を見ながらブルーポピーに触れるトレッキング5種類(ブルーポピー含む)のポピーと250種類の高山植物を見れるトレッキングの2つをお勧めしたいです。 どちらも初心者の方でも本物のブルーポピーに触れ、至福の時間を過ごせるトレッキングです。

・300~400種の高山植物を見ながらブルーポピーに触れるトレッキング

・5種類(ブルーポピー含む)のポピーと250種類の高山植物を見れるトレッキング

 

小社では、ヒマラヤでほほ笑むブルーポピーに触れるトレッキングを7月~8月に実施しています。

ご興味ある方は是非、お問い合わせ: 077-534-5469 または info@sapanatrek.com   担当 浅原