3年ぶりに、世界最高峰を仰ぐことができるエベレス(ゴーキョ)地域をゲストと共に歩いてきた。
出発直前、今までとは異なり、ルクラ行の出発空港が大幅に変更となった。
ネパール航空局は非常に重要な通達を発し、2023年10月1日より、ルクラ行のフライトをすべて、ラメチャップ空港(カトマンズの南東100km)から行うと決定した。 そのため、エベレスト方面をトレッキングする旅行者はラメチャップ空港に車で移動し、そこから国内線でルクラ空港へ向かう事となる。
川横に造成された場所にあるラメチャップ空港
変更に至った理由は・・・
慢性的なカトマンズ空港上空の渋滞および、天候に左右しがちな山岳地域へのスムーズなフライトを実現することで、海外からの旅行者の利便性を図る。
30年にわたり、エベレスト地域へのトレッキングを行ってきているが、常にフライトの不安定さを心配し、悩みながらトレッキングを実施してきた経験がある。 ネパール航空局の決定は旅行者を含め非常に歓迎できるものだったが・・・・
正直にいうと、ラメチャップ空港までの移動が非常につらい。 ただ一言に尽きる。
今回の大幅な変更によって、カトマンズ空港上空の交通渋滞に巻き込まれない分、フライトが安定しているように思えるが・・・ 山岳天候に関してはあまり回避できるとは言えない。 むしろ天候不順で離陸ができない場合は、ラメチャップ空港周辺にはホテルが少ない。 仮に数日間の悪天候の停滞により足止めがあれば、ホテル探しに一苦労するであろう。 またトレッキングの行先を変更する場合にも、カトマンズに戻るためにも5時間強の時間を有する。 航空機が飛ばない場合によるトラブルに対しての対応が皆無な状態である。
かつてのように、国際線でカトマンズに着いた翌日のフライトでルクラに行くためには、深夜1時頃にはカトマンズを出発して、ラメチャップ空港に向かう必要がある。
こうした新たなトラブルが見えてきたため、エベレストトレッキングは以前よりも2日間余分に日程を入れる必要がある。
欧米人のように、長期に旅行できる旅行者ならば大丈夫だろうが、限られた日程でトレッキングを楽しむ日本人向けのツアーの場合、常にトラブルリスクを考慮してツアーを組まなければならない。