ヒマラヤ専門ガイドの浅原です。

自身の出身地である静岡県には、長野県山梨県と接する部分には、北アルプス、中央アルプスと並んで3000m級の峰々がに南北にわたって120㎞連なる南アルプスがある。 100名山の名付け親となった深田久弥はこの地にある9つの山を設定。 特に下界が猛暑となる夏、登山者で賑わう。

180m以上のつり橋を渡った先が登山口

今回、私は南アルプスが源流となる大井川水系を遡り、長年にわたり小屋を守り続けてきた山小屋の山開きに密着してきた。

茶臼小屋からみた富士山

間ノ岳を源頭部に180㎞以上にわたって太平洋に流れ出す大井川は南アルプスからの水を集め駿河湾で終わる。
この流域にはいくつもの趣向凝らした山小屋が点在し、一部の小屋を除いて7月中旬から小屋開けとなる。 残雪が残る6月、小屋開け準備のための事前調査が行われる。

茶臼岳の下にある茶臼岳山荘

本格的な小屋開け準備が始まる7月初旬、小屋の管理人を先頭にスタッフが一年ぶりに集まり、荒れた登山道に足を踏み入れ荷物を背負って標高2000mを越すところにある小屋を目指す。

一斉に高山植物が咲き乱れていた頂上尾根

専らヒマラヤばかり登り、日本では日帰り登山程度しか知らない私にとって、日本の名峰が連なる南アルプスの山登りの様子を垣間見ることができる絶好のチャンス。
縁があって、猫の手も借りたい忙しい小屋明け準備の様子を、スタート時から取材させて頂くことができた。

小屋開けの準備のスタートは・・・
水辺周りのチェックから始まる。 前年の降雪によって水源の変化等が無いか確認。
何枚にも書き出されたチェック項目。 スタッフが手分けして一つ一つ確認していく。

調理担当者を中心に行われる食料チェック。 賞味期限の確認はもちろんの事、今シーズン提供する食材の確認と調理器具のレイアウト。
戸棚に片づけられた食器や器具の洗浄も。
また、登山人数に応じた調味料の量の確認と調理のデモンストレーションを行い、調理時間の確認を何度も行う。

3㎝に及ぶマットの厚さで快適な睡眠

別のスタッフは登山者がゆっくりと心地よく疲れを取れる寝床チェック。
床を掃き、水拭きを行って隙間なくスポンジマットを敷いていく。 さらに厚めのスポンジマットを敷き、その上に御座を敷く。適度なクッションが保たれた最高な寝床に私自身も寝てみた!

登山者の安全を確保する衛星電話の設置と無線機の設置。

1日に4トンほどの荷揚げが行われる

無線を使った慌ただしいやり取りの中、ヘリによる荷揚げが行われる。
翌朝、有視界運行によるヘリの荷揚げ作業を最優先に、大井川渓谷の深い谷を眺めながら待つことに。
ヘリポートには、昨年の荷下げできなかったものがすでにネットに入れられていた。

予定より1時間ほど遅れて約400㎏の大きな荷の塊が青い空の中を飛んできた。
スタッフは慣れた手つきで荷を縛っていたロープを外し、30㎏を目安に担ぎ、数十メートル先の小屋まで運んでいく。

安全に登山者が登ってこられるよう、何時間もかけて登山整備に出かけて行くスタッフ。

朝から晩まで、10日間程の小屋開け準備を経て、南アルプスの夏山シーズンが始まる。
山開きの日、多くの登山客が訪れ、テント場にはいくつものカラフルなテントの花が咲いた。 これから9月後半まで多くの登山者で賑わう山小屋。

今回お世話になった山小屋に本当に感謝申し上げます!

お知らせ・・・

ヒマラヤトレッキング・登山専門サパナでは8月11日~8月19日まで南アルプス(聖平小屋)にてヒマラヤ相談室を開きます!(小屋の営業に支障ない範囲ですが・・・) ご興味ある方は百名山、聖岳を登りに来る際、是非聖平小屋に!待ってますよ~