おじいちゃんの夢 【孫と一緒にヒマラヤを歩きたい】

孫(12歳)に体験させたい。あの雄大な自然と逞しき人々

ヒマラヤトレッキングすると、山岳民族が逞しく暮らしているのを実感する。
昭和20年、30年代の様子にタイムスリップしたかのように。
その当時の日本に大変似ているという参加者の声をよく耳にします。

今回、関西にお住まいのN様の熱いご要望でヒマラヤトレッキングが実現しました。

N様は過去2度、サパナのトレッキングに参加して頂いており、
『3度目のトレッキングは是非孫と一緒に』という熱い思いをお持ちでした。

『孫にこの素晴らしいヒマラヤの大自然』
『そこで暮らす逞しき人々』  を孫に是非体験させたい・・

ゴレパニ村: ダウラギリⅠ峰と一緒に

2年の月日をかけて実現 ▲

12歳のお孫さんをヒマラヤに連れていく。
普段のトレッキングと比べ、どんな点が違うか、
ご年配の方とどんな点を注意すれば良いか・・・
過去の経験と同年代の子供を観察しながら、いろいろと調べた。

先ず体調の面で、病気になり易い可能性がある。
なぜならば外国での不慣れな生活、初めてのヒマラヤ、
食事のことなど多くの点が挙げられた。
また、異文化ということで見るものすべてが刺激で、興奮に繋がり易い。

体力や山歩きの経験はどうか?
N様に直接インタビューを何度も行って、お孫さんが歩けるかどうかのチェック。

現地の様子(再度トレッキング地域ならびに、コースの状態)について調べた。
普段のツアーでも欠かさず行っていることだが、
子供の視線に立って本当に歩けるか念入りに。
最新の注意点や突然のアクシデントに備えて、休憩場所の設定等を確認。

一番難しかったのが、お孫さんの興味を知ることだった。

なぜならば・・・
ヒマラヤに来ても、緊張の連続でトレッキングを楽しんでもらえるか・・・。
緊張を解す会話も必要だからである。

また、子供の集中力は、大人に比べ短い。
ましてやヒマラヤという環境の中で、もし何か起きた時には、
不安がさらに大きくなってしまう。

そんな時に、
少しでも気分を和らげることができたら、どんなに子供は楽だろうか。
不安を取り除ける話ができれば、安心に繋がり気分的に楽になるからである。

スタッフの人選

スタッフでも特意不得意がある。
また、ガイドとして教えたいスタッフもいる。
予め何人かのスタッフには声をかけていたが、
突然の不在もあり得るので、
予備のスタッフも含めて考えた。

初めての3000mへ挑戦

日本でも経験されたことのない未知の3000mへ挑戦!
お孫さんにとってどのようなものか?期待・不安いろいろあるかと思う。
高山病にならないこと、かかり難くすることは、しっかりとした順応法を行えば
高山病にかからないと思うが、細心の注意が必要である。

ヒマラヤを思いっきり楽しんでもらう

安全のことも大事であるが、いかにヒマラヤを楽しめるかも重要である。
危険ということで、こちらから『ダメですよ』とお願いしていては、失格である。
むしろ、ずんずんと興味を持ってもらえるように、勧めなければならないと思う。
予め、同世代の子供が興味を示すことのリストアップ。
それからN様から教えていただいたことをもとに、
今回のコースで体験できるもはないか考えた。

いろいろと調べたり、日程の調整であっという間に2年間が過ぎてしまった。

喜び・感動の連続トレッキング

3月の終わりと言えば酷暑期。
ヒマラヤ地域全体、雲が湧きやすいのである。
今回、1日だけ曇の日以外は、
ヒマラヤを見ながらずっと歩くことができた。
今年のゴレパニ周辺のシャクナゲは期待に反し
てあまり咲かず、とても残念だった。

肝心なトレッキングはどうかというと・・・

最後までお孫さんが頑張って歩き通してくれた。
目の前に広がる・・・
東西140kmのヒマラヤの峰々を見て、とても喜んでくれた。

ヒマラヤから産出する化石(アンモナイト)
の話をしながら、どうして山から見つかるのか?
どんな場所で見つけることができるか?

ヒマラヤを見ながら尽きることのない話で盛り上がった。


タカリー族の民家を訪れる


山岳民族の子供に文房具を渡す


ヒマラヤを見ながらの朝食


現地のものに触れ、体で感じる


トレッキング最後の日の宴


トレッキングを支えてくれた仲間

帰国後、N様、お孫さん、そしてお母さまから温かいお手紙を頂戴した。