日本全体が気温35度以上を記録する残暑厳しい中、5000㎞離れたチベット大地へ

2015年に起きたヒマラヤ地震によって、ネパールからチベットに行く道は大きく変わった。 新しく開いた国境はカトマンズの北、直線距離にして40㎞になった。 世界で最も美しい谷と呼ばれるランタン渓谷の入り口であるシャブルベンシ(1450m)を経て伸びる、ラスワガティ国境。 国境手前には温泉が湧くのどかな国境である。

ラスワガティ国境にある中国のイミグレーション

旅行者の大きい荷物は国境で生業をするネパール人ポーターが運ぶ

ポーター業を行う人が必ず持っている国境許可書

国境にかかる鉄橋を歩いて越え、建物中へ。 厳しい眼差しで、外国人旅行者のパスポートを一つ一つチェック。 旅行者の手荷物の検査は特に念入りに行う。 厳しい検査によって没収されるものも多い。 チベット側に出るとホッとする。 チベット人ガイドに引率され、20㎞ほど進んだ先にある中国側の街、キーロン(2800m)へ。

キーロンの西に聳えるルーペンバ峰

チベット側の道路は日本並みにしっかりとしている。壊れた箇所も無く、スムーズに走行することができる。

漢族によって作られた街、キーロン(吉隆)チベット人、漢族、そしてネパール人が暮らす大きな街。

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キーロン(吉隆)散策

キーロンの街の郊外に行くと、ネパールに似た家屋が目立つようになる。 話を聞けば、かつてはキーロン一帯がネパール領だったという。 政治的決着によりキーロンは中国領になった。

ヒマラヤ地震で大きく壊れた上部を中国政府の支援で建て直したネパール風の家が点在

高度順応を兼ねてガイドと共に郊外の村などを訪れることにした。 ホテルでゆっくりと休むより効果的に順応ができるよう、半日程度のハイキングへ。

この地にはチベット仏教を語るうえで重要な人物、ミラレパ伝説が残る。 チベット中を旅していろいろな場所に彼の伝説が残る中で、特に有名なミラレパの足跡がある寺院がキーロン郊外にあるのだ。 他、ニュラム、ラプチという場所にもミラレパ伝説の有名な寺院が現存している。

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