【千日回峰の道:無動寺道を歩いて、最高地点大比叡を目指す!】
滋賀県大津市側から比叡山の最高地点、大比叡(848m)に向う。 延暦寺の麓にある日吉大社は延暦寺の鎮守として栄え、その門前町が坂本の街である。 JR坂本駅、京阪電鉄坂本駅があり、市営の駐車場などもあるため、公共機関や自家用車を使っての登山が容易である。
ここでは自家用車を使って、【無動寺道】を歩く初心者向けのコースを紹介したい。
【市営駐車場からスタート】
坂本市内の駐車場はあまり多いとは言えない。 坂本ケーブルを使う登山者には山麓駅近くの駐車場を利用することも可能であるが、ここでは大津市が無料で運営する市営観光駐車場(坂本ケーブルから140mほど下がった場所)に車を止めて出発。
県道47号線沿いの駐車場から500mほど下って行くと、左手には琵琶湖病の建物が見え、比良比叡トレイルと書かれた立派な道標が無動寺道の入り口である。
【駐車場 ➡ 無動寺登山口:約7分】
【無道寺登山口】
京阪鉄道を利用してここに来る場合、松ノ馬場駅下車後、山手に歩き琵琶湖病院の横を抜けて、県道47号に出ると登山口が見えてくる。 登山口のすぐそばには石垣の一部がくりぬかれ、埋め込まれたように祀られている、かわいいお地蔵さんがほほ笑んでいる。
住宅地を横目にアスファルト道を進み、大きな鎖で閉ざされた車止めをまたぎ、さらに林道を歩くと、右手に大きな堰堤が見えてくる。 ここから本格的な登山道となる。
【無動寺登山口 ➡ 堰堤:約15分】
堰堤の脇には木製の階段道が作られ、少しずつ高度を稼ぐ。 針葉樹の森の中を歩くため薄暗いので足元に注意して登るように。
石積の綺麗な石段を登りきると、左手奥がすこし平地になった場所があり、高さ3mほどの石塔がある。 石塔の裏側に回ってみてみると江戸時代に建立されたことに気づく。
【堰堤 ➡ 石塔:約10分】
さらに10分ほど歩いていくと・・・【紀貫之卿の墳墓】と刻まれている立派な石柱に出会う。
【石塔 ➡ 紀貫之卿の墳墓の石柱①:約10分】
ちなみに無動寺道には紀貫之卿の墳墓と刻まれた石柱が2か所あり、ここは下側の石柱である。 無動寺道から反れて紀貫之卿の墳墓を行くには、約40分かかる。
紀貫之卿の墳墓にはいかず、真っすぐ進む。 広葉樹林と針葉樹林の森を30分ほど歩くと・・・ 再び【紀貫之卿の墳墓】と刻まれた石柱に出会う。
【紀貫之卿の墳墓の石柱① ➡ 紀貫之卿の墳墓の石柱②:約30分】
ここからも紀貫之卿の墳墓(40分弱ほど急登)へ行くことができる。 墳墓への道を通らず、無道寺に向かって進むと、少しずつ下りはじめ、幅の狭い個所もあるので気をつけてほしい。
いったん河原道を歩き、左巻に上っていくと、無道寺のゲートがあり鍵を開けて境内へ。
無動寺にはいくつかの建物があり、その中に延びた一本の道を進むだけである。
穴太積で作られた石垣がずっと続いている。
【紀貫之卿の墳墓の石柱② ➡ 無動寺:約30分】
無動寺を抜ければ、整備された歩きやすい散策道が坂本ケーブル山頂駅まで続いている。
坂本ケーブルの駅の裏側にある無動寺参道の鳥居
【無動寺 ➡ 坂本ケーブル駅:約25分】
坂本ケーブルを利用する観光客に混じって、舗装された平坦な道を歩き延暦寺内の東塔エリアに向かう。
世界遺産に登録されている根本中堂までやってくると、多くの観光客でにぎわっている。
【坂本ケーブル駅 ➡ 根本中堂:約5分】
東塔エリアにある阿弥陀堂を目指してゆっくりと坂を上っていく。 鮮やかな朱色で彩られた大講堂の横を抜けていく。
阿弥陀堂と法華総持院東塔の間を抜けると・・・大比叡までのルート案内がある。
案内図に合わせて道は一本なので頂上まで迷うことはないだろう。 表参道とは比較にならないほど道は狭まり、修行道の様な狭い登山道が続く。 30分ほど登ると大きなスペースのある場所にでる。 頂上はさらに進んだところである。
関西テレビの中継塔の先に比叡山の頂上(848m)の標識と、一等三角点がある。
畳10畳ほどの広さであるの頂上はヒノキの林に囲まれ、景色は全く良くないが、一等三角点が埋まっている。
【根本中堂 ➡ 大比叡:約35分】
紀貫之卿の墳墓へ
【紀貫之卿の墳墓】と書かれた石柱のある場所から紀貫之卿の墳墓を目指す
石柱から墳墓への道は意外と急登である。
樹林の中に延びた1本道をひたすら歩くと・・・ケーブル延暦寺駅から下りてくる道とぶつかる。ここまで30分ほどである。 分岐から10分弱ほどで、紀貫之卿の墳墓に到着する。
墳墓の裏には無動寺道に直接下れる急坂が延びている。