ナムチェバザールの街並みとタムセルク峰を見ながらの朝食を済ませ、高度順応のためにシャンボチェの丘へ登る。
標高差にして400m程であるが、ナムチェバザールからの直登ルートのため、息切れがしやすい。 すでに多くの旅行者がシャンボチェの丘に向けて出発しかけ、追いかけるように私たちもスタート。
ナムチェバザール上部にある入口から石段の登りが延々と続く。 何度も呼吸を整えるために足を止め、背後を振り向く。
朝、8時過ぎというのに・・・コンデリ峰には帯状の雲がかかり、全容を見せてくれない。
ゲストからは感激の言葉が! しかしこの天気は雨季明けではない。 雲一つない天気が続くのが乾季を迎えたヒマラヤだからである。 そんなことをゲストに伝えながら、シャンボチェの丘を登りきる・・・
残念だったが、エベレストは雲の中に。 時より雲の上部に顔を少しだけ見せるエベレスト。 ゲストの期待には応えられないのが辛い。 改めてガイドの責任だと思ってしまう。
次々とナムチェバザールから登ってくる旅行者。 ここから30分ほど先にあるエベレストビューホテルまでゆっくりと歩く。 ほとんど水平動のため、息切れはしない。 カモシカが群れで草を食んでいることが多いため、探しながら歩いたが今回は見つけることができなかった。 どこかで会えること思い、日本人が建てたエベレストビューホテルの中へ
観光客であふれかえったホテルのテラス。 目の前に8000m峰が見えることで、世界中からこの地を訪れる。 ホテル内の装飾も素晴らしく、この地域でほほ笑む可憐な妖精たちの写真をついつい魅入ってしまう。
全員が何とか座れるスペースを確保。 各々が飲みたいものを注文し、ヒマラヤを見ながら談笑が始まる。 明日から歩くルートも見え、どのようなトレイルか? ゲストに分かりやすく説明するのだが、しっかりと伝わっているか気になるところである。 ガイドとして日本の山登りの経験は皆無に等しいため、日本の山と比べて・・・という表現が出ると苦手である。 弊社のツアーを何度も利用してくれるゲストが私の代わりに、質問に対して答えてくれる。
1時間ほどゆっくりと滞在したのち、ヒマラヤに溶け込むように統一された色、建て方のクムジュン村に向かった。 ここに住むシェルパ族は、ゴーキョ方面の放牧地の権利を持っている。 私たちが向かうゴーキョ方面のロッジのオーナーもこの村が故郷になる。
クムジュン村の上部にはクンデ村もあり、こちらも非常に美しい村である。 そしてこの地で作られるジャガイモがとても美味しいので、是非食していただきたい。
先発していたスタッフが私たちの戻りを待ちながら昼食を作ってくれていた。 明日のトレッキングを考え、サナサ村で宿泊。 ホテルの前に聳えるタムセルク峰が川底から一気にそそり立つ容姿に、身震いを感じた。
翌朝のタムセルク峰 納得いかない天気に・・・・ 今年の雨季はいつ明けるのか?
部屋の中で、いつまで続くかわからないお祈りが行われていた。 オーナーも早く法事が終わって欲しいようなそぶりで、私たちのいる外を見てくるのが笑えた。