10月11日、まもなく始まる秋の祭り(ダサイン祭)のことも気にしながら、ヒマラヤの国、ネパールにやってきた。

今年の4月もトレッキングをしているのだが、標高5000mを超える世界へのトレッキングは3年ぶりになる。 事前にヒマラヤの玄関口であるルクラ空港へのフライトが大きく変わると言うこともあり、ツアー日程を長めに取り、旅行者の負担を減らすよう心掛け、19日間の長めのトレッキングになった。

標高3400mのナムチェバザールにやってきても、天気はスッキリとしない。 温かい南風がヒマラヤに向かって吹き込むため、ヒマラヤの冷たい空気によって雲がすぐに湧いてしまう。 乾季到来が例年よりも遅いように思えた。 馬蹄形をしたナムチェバザールの街並み。 滞在するロッジによって窓越しに見えるヒマラヤ大きく異なる。 私たちが泊まったロッジからはタムセルクやクスムカングールが見えるはずなのだが・・・

 

ロッジのオーナーはかつて日本隊のサーダー(登山隊をまとめるリーダー)を何度もしていたことがある。 その関係で日本に来たこともあり、簡単であるが日本語が話せゲストとも話が弾む。

彼の持ちネタはイエティ(雪男)伝説を語ることである。 イエティの声を聴いた! イエティーに襲われた話をいっぱい持っている。 私がイエティを見たのか?と尋ねると、見たことは無い。 でも居るという。 いつもこのようなオチで終わるのだが、彼と話をしていると本当に心が和む。

かつてナムチェバザールではチベット人商人たちの市場が開かれ、中国から様々な商品等を持ち込んで、この地で暮らすシェルパ族を相手に商売をしていた。 そんな時チベットの秘宝を探しにこのオーナーと出会った。 それからナムチェバザールに来ると必ず宿泊している。 3年間滞在できなかった間に、ロッジは大きく改装され、多くの宿泊ルームが出来たりと・・・様変わりしていた。 旅行者が皆無な時でみんなが大変な時期に大きく改装できるお金のことを聞くと、話を濁すのがまた面白かった。

パグディン村(2600m)からナムチェバザールまでの8時間ほどの長い行程であるため、日本食コックが作る温かい食事を頂いて翌日に備え、早めの就寝となった。 食事をしている目の前では・・・

この地で初めて見た、タヌキモ科の花。 非常に小さい妖精のため目を凝らさないと気付かない。 他のエリアではもっと早い時期で見られるのだが、今年の雨季明けが遅いため、この時期まで見られたのかと思った。

国立公園事務所前に設置されたエベレスト地域のジオラマ。 今までは人目に触れることなく建物の中にあったのだが・・・ 意外と正確に作られている!

トレッキングマップを見ていても標高がイメージし難いがこれならばっちり。 ぜひこのジオラマを見ながらあなたのトレッキングガイドのレベルを見ていただきたい。 12個以上の山名前を答えられるトレッキングガイドに出会えたら、そのガイドをぜひ褒めて頂きたい。

主要な山のみしか知らないガイドも多いのが今のヒマラヤである。 かつては数年ポーター等の下積みをし、キッチンボーイなど食事に関するスタッフを経験してガイドになるのが当たり前だったが・・・

ちなみにガイドの質を見極めるために、トレッキングマップを見ながら山の同定確認をしないと、いい加減な山名を言って旅行者をごまかす者もいるのが面白い。