~ランタン渓谷・ガンジャラトレッキング④~

アブレーションバレーの平坦な道をただり、氷河によって運ばれた巨石の間を抜けながら先を急ぐ。 標高5000mにほど近い高度だが、事前にしっかりと高度順応を終えた体では、それほど息苦しさを感じない。 目の間に飛び込んでくる素晴らしい大パノラマを見ながらゆっくりと進むだけである。

氷河が運んだ巨石の道を進む 振り返ればヒマラヤの大パノラマに思わず足を止めてしまう

行く手の右手には5800m台の秀麗なピーク、ナヤカンガ峰が大迫力な姿で私たちを圧倒させる。 ナヤカンガ峰を登るには、まずガンジャラ峠へ続く道上にできた平坦な場所をBCとする。 ここからさらにピークに近づき、氷河の中にあるキャンプサイトがABC(アドバンスBC)となり、右の稜線を辿り一気に登る。

ナヤカンガ峰は標高が6000mに届かない。登山者にとっては魅力が薄れるのだろうか、ほとんど登山者は訪れない。 BC周辺は夏になると、たくさんの高山植物が咲き乱れる。

ナヤカンガ峰を終始みながら、微かな踏み跡を頼りに氷河内へ進む。

氷河の中で休息 足元の岩の下には氷河が隠れている

夏の間、ランタン村の住人がこの地まで家畜を放牧させる。 ところどころで踏み跡が消え、目印となる石積みのケルンも無いが、ヤク(高地牛)や羊等の糞が沢山転がり、道しるべとなる。 アップダウン、ジグザクと氷河上の滑りやすいトレイルを注意して進み、ガンジャラ峠が見えてくるところまでやってきた。

中央の鞍部が5100mのガンジャラ峠

峠が近くなると、氷河内のガレ場道から巨石の上を歩く体力任せの歩きに変わった。 峠直下までやってくると、先を歩いていたクライミングガイドが中心になって、2か所フィックスロープをかける。 食料や燃料を運ぶスタッフの為に安全なルート工作が必要な場所だ。

ガンジャラ峠直下から上部を仰ぐ ガレ場と岩のミックス帯を抜けていく

3点確保をしながら、足場の悪いガレ場を直登し、峠直下の岩の手前でしっかりと休息し、トラバースが待っている。 下まで70m、ナイフリッジのキレたつ幅40cmほどの足場を30mほど通過する。 しっかりと岩に手をかけ、前だけを見て恐る恐る通過。安全確保のためスタッフが手を何度も差し伸べ、全員がガンジャラ峠に立った。 ネパールのトレッキングでは、様々な峠を越すことができるが、ガンジャラ峠は非常に難易度が高く、ヒマラヤらしい峠のひとつではないだろうか。

幅40cm程の足場を抜けて峠に出る クライミンガイドがスタッフ様にロープをフィックスする

私たちが峠に到着した時には、キッチンスタッフたちはすでに先を急ぎ、遥か下部を歩いていた。 峠の反対もガレ場で、非常に危険である。 登りに使用したロープを急いで回収し、スタッフ様に再びロープを固定する。

中央岩塔の左側がガンジャラ峠

昼を過ぎ、あたりは厚い雲に覆われ、頂上からの眺望は残念。 まずは峠に立てた喜びを分かち合い、さらに進まなければならない。 ここから安全な場所まで高度差にして100mほど下る。

ヒマラヤトレッキング専門 サパナ