ダイニングの片隅に、二人の僧がいた。 話を聞けば、ターメ村のお坊さん。 明日、ロッジで行われる法要のためにやってきたという。 ゲスト交えて歓談をしていると・・・キッチンの方からご飯が炊きあがったと大声で呼んでいる。

その声に合わせるよう、2人の僧は突然目つきを変え、炊きあがったお米を目の前に、熱さを気にしながらコネコネとお米をつぶしていく。 法要に使う飾りをお坊さん自身で作っていくのである。 ブツブツとお経を唱えながら、チベット仏教に必要ないろいろな飾りをテキパキと作り上げていく。

ロッジのオーナーに聞くと・・・毎年4回ほどこのようなことをするとのこと。 明日はこの飾りを前にチベット仏教の楽器も奏でながら法要を行うらしい。

 

トレッキングに同行している日本食コックが、私たちのために親子丼を作ってくれた。 おいしく頂きながら2人の僧が作り上げていく飾りをじっくりと見せていただく。

飾りには、ヤクと羊が出てくるとのこと。 若い僧が器用に形作っていく。

ヤクには目を入れ、愛嬌のある飾りである。 羊の方がヤクより大きく作っているのには思わず笑ってしまった。

翌朝、昨晩の夕食中に作っていた飾り以外に、さらにたくさんのお供えの飾りが作られていた。 燈明が灯され、窓越しに見えるタムセルク峰をバックにお祈りが始まる。 朝6時から大きく引く声で唱えらえる経は、私たちの睡眠を一瞬にして目ざませてくれる。 楽器も奏でられ、寝床から一気に飛び上がって外へ逃げていく自分があった。

すでに朝食の支度は始まり、部屋の中で奏でられる法要の楽器が非常に大きいため、本日の朝食はヒマラヤとナムチェバザールを見ながらとなった。

こんな形で朝食を頂くのもまたいいものである。

部屋の中で、いつまで続くかわからないお祈りが行われていた。 オーナーも早く法事が終わって欲しいようなそぶりで、私たちのいる外を見てくるのが笑えた。