~ランタン渓谷・ガンジャラトレッキング⑦~

満点の星が輝く中、疲れきった体をゆっくりと休める。 心地よい鳥のさえずりとスタッフの甲高いモーニングコールで目を覚まし、熱い紅茶を頂いた。

ガンジャラトレッキング最終日、本日の行程は標高2700mにあるタマン族の集落、タルケギャンを目指す。  歩行距離が長いため、昨日よりも1時間早くの出発となる。

ロールワリンヒマラヤの背後から昇る太陽

 のんびりと出発準備をする私たちを横目に、大きな荷物を縛り準備のできたスタッフが次々と出発していく。 ヘランブーの民によって幅広く、整備されたトレイルをひたすら南に向かって進んでいくだけだ。

ポンゲンドプク峰 

今まで歩いてきた方面を振り返れば、6000m級のジュガール山群が輝いていた。 ガンジャラパスのあった場所は尾根に遮られ望むことはできないが、印象に残る素晴らしい峠だったことははっきりと覚えている。

花をめでながらゆっくりと歩く私たちを待っていてくれたスタッフ。 足元に咲いている花を追い求める姿に、スタッフは不思議そうに思っていたようだ。

ヘランブー地域がやっと眼下に見えてきた。 シャクナゲの森の中に広がる集落(メラムチ村)も見え、トレッキングが終わりに近づいているのを感じる。

ゴサイクンド(ラウリビナヤク峠:4610m)を望む

ランタン渓谷からヘランブー地域へ抜けるもう一つのルート(ゴサイクンドルート)が望める。 氷河によって削られた跡地を抜け、カトマンズに至る。 ゴサイクンドルートは欧米人に人気があり多くのトレッカーが通るため、途中にはロッジが点在しているので、初心者トレッカーでも歩ける。

キンポウゲ科の花

夏に見られるキンポウゲ(アネモネ)と異なる種が散生し、花好きのトレッカーには心躍るトレイルである。

最後の登りであるヤングリピークへ。 ピークにはチベット教の廃院があり、その横にルートが延びている。 廃院から遥か眼下には宿泊地であるタルケギャンの村がはっきりと望めた。

 ジュガール山群の遠望

15時半、ガンジャラトレッキング最後の宿泊地、タルケギャンに着いた。 ランタン渓谷で暮らすタマン族と同族の人々が暮らす村である。 円形に住居が作られ、中央には彼らの信仰の対象であるゴンパ(寺院)が建てられ、いつも神様に守られている感じだ。

夕方、ヒマラヤ最後の晩餐が始まった。 日々重たい荷物を持って歩いてくれたスタッフもシャワーを浴び、すっきりとした顔立ちに様変わり。 スタッフとロッジオーナー夫婦と一緒に楽しい食事を囲んだ。

コックは日本食だけを専門に作る。 ケーキ作りはキッチンボーイが担当。 この村で手に入れることができた材料を使って、コックが出来栄えと味を確認し、大きなケーキが私たちの前に運ばれた。

ゲストによってケーキ入刀。 今回出されたケーキはカラフルな生地で甘さ控えめ。 スタッフにも切り分け、みんなでトレッキングが成功したことを感謝した。

久しぶりのベットでの就寝は、体を長い睡眠を誘なることに。 翌朝、いつもよりもゆっくりとした起床に。 カトマンズから迎えの車がやってくるディンブー村まで、さらに整備された道を下る。 夕方、喧騒の街カトマンズに到着し、ガンジャラトレッキングは終わった。

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