標高3,800mに広がるチベットの都・ラサ

チベットの省都ラサは、標高3,800mの高地にありながら、驚くほどの発展を遂げた大都市である。北京オリンピックを境に道路やインフラが一斉に整備され、現在では旅人にとっても移動しやすい街となった。しかし、今なお個人旅行では許可が下りない非開放地区であり、団体旅行が基本となる地域である。

ラサの象徴といえば、かつてダライラマが政治を司っていた居城、ポタラ宮である。白と赤の巨大な宮殿は、遠くからでも圧倒的な存在感を放ち、チベットの精神世界を象徴する建造物として知られている。

かつてポタラ宮の前には古い住居が密集していたが、現在はすべて移設され、広大な広場へと姿を変えた。街中には整備された道路が続き、多くの車が行き交う。標高3,800mの世界にいることを忘れてしまうほど、都市としての機能が充実しているのである

ラサで味わう高地の恵み ― ヤク料理

チベットを訪れたなら、ぜひ味わっていただきたいのがヤク(高地牛)の刺身である。日本のしょうゆを軽くつけていただくと、しっかりとした歯ごたえの赤身が口の中に広がる。新鮮でなければ決して食べられない一品であり、まさに高地ならではの味覚である。

また、遊牧民のテントを訪れる機会があれば、ヤクの干し肉を振る舞われることもある。乾燥した高地の気候が生み出す保存食であり、噛むほどに旨味が滲み出る素朴な味わいが魅力である。

日本ではまず口にすることのない食文化が、ここには息づいている。チベットを訪れたなら、ぜひこの土地ならではの“珍味”を体験していただきたいのである。