ヒマラヤ専門ガイドの浅原です!
カラッとした冷たい空気のチベット高気圧の勢力が弱まり、入れ替わるようにしてインド洋からたくさんの湿った温かい空気が入ってくる4月。 ヒマラヤに向かって温かい空気が一気に流れ込み、上空の冷たい空気と激しく衝突。 標高4000mを超える山岳地帯に厚い雲が沸き、ヒマラヤの南側を中心に雨や雹を降らせる。
ヒマラヤ山麓の南面でほほ笑む可憐な妖精たちは、天から降り注ぐ滴でずんずん成長し、7月頃~8月半ばにかけて短い夏を謳歌する。
この時期、400種類を超える妖精がヒマラヤの麓を一斉に彩る。 特にいろんな種が見つかっているサクラソウ科はこの地を訪れたトレッカーを一瞬に虜にしてしまう。 ヒマラヤに咲くサクラソウは植生環境(高度、土壌等)により、様々な姿に変化し、私たちを楽しませてくれる。
『標高2000~3000mほどの沢筋等の水が容易に得られる場所に咲く』
左から:プリムラ・デウテロナナ :プリムラ・グラキぺリス :プリムラ・アウレアタ・フィンブリアタ :プリムラ・ロトゥンディフォリア :プリムラ・リステリ
『標高2500m~4000mの日当たりのよい草地に咲く』
左から:プリムラ・グロメラタ :プリムラ・デンティクラタ
『標高3500m以上の草地や水辺の周りに大群落を作る』
左から:プリムラ・シッキメンシス :アンドラサケ・サルメントサ
『4000m以上の日当たりのよい草地に咲く』
左から:プリムラ・レイディー :プリムラ・レイディー・ウィリアムシー :プリムラ・ブリアナ
『4300m以上の草地や小低木の周りに咲く』
左から:プリムラ・マクロフィラ :プリムラ・タンネリ・ネパレンシス :不明
『冷たい風が吹きつける4500m以上の尾根上、礫地周辺に咲く』
左から:不明 :アンドロサケ・デラヴァイー :プリムラ・プリムリナ :プリムラ・テヌイロバ
ここで紹介できないサクラソウも多々あり。 東西2400㎞にもおよぶヒマラヤの大地には、まだ誰も知らないサクラソウの仲間もあるのではないだろうか?