『ヒューヒュー』と口笛のような音で山岳の民を怖がらせる!
世界最高峰エベレストの登山で賑わうネパール北東地域。 国内線を使えばカトマンズからたった30分ほどの距離である。
この地はクーンブ地域と呼ばれイエティー(雪男)伝説を強く信じる民が今も多く暮らしているところだ。
特に、エベレスト登山で有名なシェルパ族の街、ナムチェバザール(3400m)から西のターメ地区、そしてクムジュンやゴーキョ街道にかけての一帯はイエティーの声を実際に聴いたことがある!という民が沢山暮らしている。
ナムチェバザールから歩いて2日、標高3900mにあるパンボチェ村の中心に位置する寺院には、『イエティーの頭部』と、語り継がれるモノが大切に祀られいる。
また、ターモ村周辺ではイエティーの目撃証言や声など、イエティーについての詳細な情報が多く寄せられる。
例えば・・・イエティーにさらわれて結婚したシェルパの娘の話、イエティーが扉に隠れていた人間に驚いて逃げて行った話など・・・たくさんの話が語り継がれいている。
事の真相は分からなくても、このような話が今も残る場所を歩けることが、エベレスト地域の魅力の一つとなっている。
・イエティだけではない! ミッティ、チュッティーというモノもいるらしい!
雪男やビッグフットとして呼ばれ、未だ真相がわからないイエティー。
実はヒマラヤの民の中にはイエティ以外に『ミッティー』と『チュッティー』という仲間がいる!
この地に暮らす民に尋ねると・・・
いろんな情報があることが分かる。彼らの声をまとめると、イエティーと同じヒマラヤに棲む神様であり、時として人間や家畜を襲うとのこと。 常に人の近づけない険しい山の上から民を見下ろし、家畜であるヤクや羊を狙っているそうだ。
ヒューヒューという音が聞こえた時、イエティーをはじめチュッティ、ミッティは人間の背後に忍び寄り、かれらと目が合った瞬間・・・ その人間は消えてしまうという。
2019年、インド隊がヒマラヤの中で巨大な足跡を発見というニュースが世界を一瞬で駆け巡り、イエティーの存在が話題になったが・・・
エベレスト地域で暮らすシェルパ族の間ではイエティーの足跡は人間の様な形にはならないと誰もが口をそろえる。
何故ならば、彼らが知っているイエティーたちの足は、人間と大きく違って甲の部分が地面と接し(人間の足裏の様に)、足の裏が上を向いて、指先が後ろを向いているからである。 お化けのような足の作りになっているのだ。 私たちが想像するイエティ―とは大きく異なっている。
科学の進歩により、イエティ―伝説がいつの日かなくなるのかもしれないが、このような伝説がいつまでも語り継がれることを願いつつ、ヒマラヤを歩いてみたいものだ。