【Tibet と言えばポタラ宮・・・】

ラサ・・・というよりはチベットすべてを象徴するポタラ宮。 17世紀にラサ市内の街の西端であったマルポ・リ(赤い丘)に建立。 一説には7世紀のゾンツェン・ガムポ王によって王宮が築かれてという。
ちなみに、ポタラとは『観音菩薩が住まう土地』という意味。 チベット人にとって観音菩薩はダライラマ法王である。

団体入り口から入場、建物の入り口まで、延々と坂道を歩くところから始まる。

チベット史上、偉大なダライラマ5世が1645年、現在のポタラ宮の右側にある白宮を造営をスタートさせ、1649年に完成した。 ダライラマ法王がデブン寺にあるガンデン・ポタンからポタラ宮に移り住んで以来、ポタラ宮はチベットの政治・宗教の中心地に。

ダライラマ5世の死後、摂政のサンギュ・ギャンツォがボタン・マルポ(紅宮)を造営を行う。 紅宮が完成するまでの14年間、ダライラマ法王が亡くなったことは伏されていた。
歴代のダライラマはポタラ宮に住み続け、白宮の中に政治部門が置かれ、紅宮には宗教部門が置かれ、チベットを統治してきた。

ポタラ宮を巡礼するチベット人 数珠やマニ車をもって、お経を唱えながら朝からずっとこの調子・・・

中國の侵攻や文革の間にも不幸中の幸いと言うべきか・・・ポタラ宮は国家的な文化財として北京政府の管理下に置かれ、物理的な損害は殆どなかった。 ダライラマが不在ということで、博物館化への道を歩んでいくことに。

入場門を抜けた先の広場 ここより先は撮影禁止区域

1000以上もの部屋があると言われているポタラ宮だが、実際に観光客に公開されている部屋はほんの僅かである。 チベット人ガイドによれば、市内観光ガイド資格を得た者はポタラ宮で研修を行い、担当官による案内を受けながら、当時の文化を学ぶ。その際、かつで悪人を捕らえた時に使用した牢屋や拷問する道具が置いてある部屋に入り、詳しく学ぶという。 ポタラ宮には観光客が見たくなる部屋がいくつもあるという。

中央3階の窓からダライラマは広場で行われる僧の問答を眺めていたという。 また旅行者が建物に入る際の階段は3列に別れ、左側のみを利用する。 中央の階段はダライラマ専用の登り口。 右側は僧侶のみが利用

建物内での撮影は一切禁止されている。 お経を唱えながら監視をするお坊さんも多いけど、監視カメラの数には驚きである。 ちなみに1日に入場できる人数も決まっているため、前日までに整理券をもらっておかなければならない。 外国人旅行者の入場口も異なり、ガイド無しではウロウロ。 チベット人巡礼者にはこのような規制が無いため、自由に見学できるのが羨ましい限りである。

なお、混雑を避けるために見学時間は2時間と厳しく決められている。 同行するガイドが建物出口の所で係官にチケットを差し出し、機械で見学時間を計測。 もし遅延した場合は罰金となる仕組みである。
ゆっくりとチベットの素晴らしき文化を楽しみたいツーリストにとっては理解しがたいシステムがあること、ご理解あれ。

【専門ガイドが教える観光のポイント!】

ポタラ宮の見学では暗い場所が多いので、ヘッドライトを持っていくことをお勧め。 トイレが殆ど無いので、しっかりとトイレを済ませてから、ポタラ宮の中を見学すること。 ちなみに入場時の手荷物検査などは他の観光地よりも厳しいので、不要なものはホテルなどに置き、身軽な格好で!

 

備考: 入場時間が季節によって異なる 館内は写真撮影等厳禁。
参考:旅行人ノート(チベット)

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