ゴーキョ村からエベレストへの壮大なトレッキング

ルクラ(標高2800メートル)から1週間かけて、私たちは徐々に高度を稼ぎながらゴーキョ村に向かった。 ゴーキョ村はンゴジュンバ氷河のサイドモレーンにへばりつくように広がっており、大小合わせて11軒のロッジが所狭しと建っている。 短い夏の放牧地として利用されてきたこの村では、ロッジを建設できるのはクムジュン村の人々だけ。

ゴーキョピーク(標高5350メートル)は、村の北側に鎮座しており、エベレストをはじめとする4つの8000メートル峰が見える場所。 トレッカーにとってはヒマラヤの聖地として毎年多くの人々がこの地を目指す。

エベレストの眺望を目指す道はエメラルドグリーンの湖畔から始まり、標高差600メートルを3時間かけてゆっくりとジグザグに登る。 何度も休憩しながら、呼吸を整え一歩ずつ進んでいく。

半分ほど登ったあたりから、ラクダのこぶの形をしたピークの横に、最高峰エベレストが少しずつ顔を出してくる。 南北に延びる狭い稜線上が全体がゴーキョピーク。

ゴーキョピークからはエベレストが東に望め、ご来光に合わせて登っても逆光になり真っ黒なエベレストになってしまう。 ピークに立つのは10時ごろを目安に登るのがゴーキョピークへの登り方だ。

多くのツーリストが私たちの歩みを追い抜き、頂上の景色を堪能して急いで下山していく。 ゴーキョ村での延泊をせず、次の村に向かうのだろう。

ちなみに、私たちにとってゴーキョピークはハイライトではない。 数日後に向かうレンジョパスに登り、4つの8000メートル峰と個性的な山並みが続くロールワリン山群、チベットと国境をなす山々を一望すること。 そこはゴーキョピークよりも景色が素晴らしく、ダイナミックなヒマラヤの峠越えを体感できる最高な場所へ。