ヒマラヤ最東端。プラントハンターが目指す聖地四川省のスークーニャン山群。
サンプクリンドウの仲間
インド大陸がユーラシア大陸に衝突する過程で今なお高くなるヒマラヤ。 7ヵ国にまたがる全長2400㎞のヒマラヤの東端(四川省)は横断山脈と呼ばれ、ヒマラヤの中でも最も降水量が多いことで知られる。 中国内陸都市でもっとも大きな成都からわずか西に200㎞、標高400mから一気に標高5000mを超えるスークーニャン山群が聳え、多様な景観が広がる風光明媚な場所として多くの観光客が訪れる。 モンスーンの影響を受けるこの地は豊富な高山植物の生育地として、プラントハンターの聖地になっている。
ヒマラヤは東西に山々が連なることが多いのだが、横断山脈は異なり、スークーニャン山群は南北に沿って峰々が連なり、数千メートルに切り込む渓谷がいくつも延び、メコン河やイラワジ河などの東南アジアの大河の源流域ともなっている。
ケマンソウの仲間
スークーニャン山群一帯では低地でほほ笑むラン科の仲間から、標高5000mを超える場所でほほ笑むケシ科の花に至るまで見ることができる。 ネパールヒマラヤでは見ることのできない種も多く高山植物の宝庫として、プラントハンターの間でとても有名である。
ヒマラヤの女王:メコノプシスホリュドゥラ
関西空港から5時間、四川省の省都である成都へ。そこから西へ200㎞の距離にスークーニャン山群がある。
この地はかつて歴史上の舞台として、三国志の時代には『蜀』という国と呼ばれ、名だたる武将が群雄割拠した歴史的にも大変魅力ある地域である。
スークーニャン山群の南側域にはジャイアントパンダの生息地。 中国政府が国立公園に指定し、自然保護に力を注いでいる。
1000万人を超える民が暮らす成都からぷらりと訪れることができ、観光客は自家用車でアクセス。 旅行会社のチャーターバスも頻繁に走っているので、公共バスを使ってこの地を訪れる旅行者は非常に少ない。
ケシ科の仲間
スークーニャン山群の見どころは大きく分けて4つ。
長坪溝、双橋溝、海子溝と呼ばれる氷河跡の渓谷に広がる原生林や湿地帯と岩肌の峰々の巴朗山。 特に巴朗山頂上付近は足の踏み場もない天空の花園に様変わりする。 寒さから体を守るようにダウンジャケットをまとうワタゲトウヒレンの仲間や、ヒマラヤに咲く幻の花と言われるブルーポピーなどが沢山ほほ笑んでいる。
ケマンソウ科の仲間
トリカブトの仲間
旅行時期: 6月~8月中旬
目安の旅行期間: 5日~7日間程度
じっくりと高山植物を楽しむ期間:7日~9日間