チベット国境に連なるヒマラヤと可憐に微笑む妖精の世界
シェルパ族の村クムジュンから、エベレストの展望地ゴーキョピークがあるクーンブ北西部一帯は、昔からイエティー(雪男)伝説が数多く残る地。 中でも、チベットから亡命者が抜けてくるナンパラ峠付近を中心に、今でも雪男が居ると信じられ、山岳民族でもほとんど足を踏み入れない無人のヒマラヤが広がっているところだ。
自分に合わせた高度順応を行なうことで、標高5000mを越える世界を歩くことができる!
ここには綺麗な山容で有名な8000m峰チョーオーユーが鎮座し、頂きから派生する尾根に沿って流れ出すスナム氷河が横たわっている。 夏になると可憐な妖精が咲きほこり、氷河地形がお花の絨毯に様変わりする場所なのだ。 人間が暮らす世界から隔離されたヒマラヤの奥地はシェルパ族にとって神と崇めるイエティーが居てもおかしくない場所になっている。
高地でしっかりと食事がとれることが、高地を歩ける重要なポイントのひとつ。 登山者の体調に合わせた日本食
7月~8月の雨季、登山者が殆ど訪れないエベレスト山群では、本来の姿を取り戻す。 ヒマラヤは厚く垂れ込める雲の中に隠れることもしばしば。 人々の視線は足元を彩る可憐な高山植物に移ってしまう。 中でも夏の放牧地として多くのヤクが湖畔で戯れるゴーキョは有名である。
ゴーキョポカリの脇を通り、レンジョパスへ向かう
サパナがお勧めするスナム氷河周辺は無人地帯であるため、家畜による食害が殆ど無いため、ゴーキョよりも珍しい妖精が咲き、お花好きの方には絶対訪れて欲しい場所である。
スナム氷河を訪れるには大きく分けて2つのルートがある。
①ナムチェバザールの西にあるターメ村を経由して、ナンパラ峠に向かって遡るルート。
②ゴーキョ村から湖の縁を通り、レンジョパスを乗越し、ルンデン村からナンパラ峠に向かうルートである。 南北に延びる5000m~6000mの岩峰群の間の広い谷を歩くため、素晴らしい景色のトレッキングは格別である!
氷河末端のガレ場は息が切れないよう、深呼吸をしながら休み休み登るのがポイント。
ここでは②のコース、ゴーキョ村からのアプローチを紹介。 レンジョパスを越えた先にあるルンデン村より上部には村が無いので、テント一式を含むそれ相応の準備が必要となる。
テント一式を含むキャンプ道具を運ぶヤクやゾッキョ。 荷役の家畜でも十分歩ける。
【エベレストの山容がはっきりと望めるレンジョパス】
ゴーキョ村(4750m)はエベレスト展望で有名なゴーキョピークの麓にある村として、世界中のトレッカーに知られらている。 ゴーキョポカリの湖畔に10軒以上のロッジが所狭しに建ちならび、シーズンとなれば、どのロッジも旅行者で賑わい、部屋が満室で宿泊拒否になることも。 ゴーキョ村の北の空には、チョーオーユー(8201m)からギャチュンカン(7952m)に延びる稜線が、チベットとの国境線上に連なって見渡せる。
ガレ場を登り切ったところ(5000m)から望むエベレストとローツェ
ゴーキョ村の西に広がるゴーキョポカリに沿って続くトレイルを歩き、先ずはレンジョパスに向かうところから始まる。 緩やかな草地の道を進み、氷河末端のガレ場へ。 標高も相まって、レンジョパスまでの600mの登りは息切れの連続である。
頂上直下の懸垂氷河に削られた岩稜に向かう
頂上に立つと・・・ 真東の空に世界最高峰が大きく、登頂できた自分を祝福してくれるかの様に見える。 無数の五色の旗(タルチョー)が風になびき、宿泊地になるルンデンの村まで下りが続く。 ネパールトレッキング協会の支援により、下りの道は整備されて、安心して下れるのは嬉しい。 眼下に見えるエメラルドグリーンの氷河湖の脇を通り抜け、高度を一気に下げる。
レンジョパス全貌 頂上には無数のタルチョウ―【五色の旗】がたなびく
レンジョパス 誰もがここで苦しかった登りを振り返り、エベレストを仰ぐ
再び大きな氷河湖の湖畔を抜けると、石垣の小屋が。 キャンプ道具を持参しているならば、此処で最高なロケーションの中で宿泊するのも良いだろう。 氷河湖から流れ出る川に沿って延びる歩きやすい草地のトレイルを進みルンデンの村へ
レンジョパスから見た氷河湖(ルンデン側)に向かってトレイルが延びている
ルンデン側から見上げたレンジョパス
アップダウンの大きな一日の為、疲れ果てて床にそのまま入ってしまうかもしれない。 体力に自信がない方には、①ルートでこの地に来ることをお勧めしたい。
氷河湖の脇を通り、更に下ると別の氷河湖が現れる
湿地帯を遠巻きに通過し、谷に向かって一気に高度を下げる
ルンデン村がある谷は、北に進路をとればチベット人が亡命してくるナンパラ峠に続いている。 我々は無人地帯の領域をチベット国境に向かって歩いていくことになる。
1時間ほど歩いた先には不定期だが、ルンデン村の住人が開くアリヤの茶店が一軒、草地にポツリと営業している。 そこからは北西方面に聳える無名峰が眺められ、ネパールとチベットの国境線となっている。
芝生を切り抜いて作った矢印。 不明瞭な所に作られた1mを超すサイズの矢印
牧畜業が盛んなルンデンの村
更に歩くと、かつてシェルパ族(数百年前チベットから移住)が暮らしていたアプサナの廃村が見えてくる。 私の知り合いのシェルパはこの村の出身だ。 彼の話の中にはいつも雪男の話が出てきて、この辺りでの目撃談がよく耳にする。
緩やかな草地を進むので、気に入った場所があればキャンプすることができる。
ナンパラ方面を望む 前方の雪山がチベット国境となる
ヒマラヤの稜線がチベット国境となる
広い谷の両脇には無名の5000mの岩峰が連なる
アプサナの廃村から更に2時間ほど歩いた先が、スナム氷河の入り口である。 夏には色とりどりのお花でここがヒマラヤの中とは思えない美しい世界が広がっている。
【7月~8月に彩る可憐な妖精】
中級者以上にお勧めしたい、トレッカーに知られていないスナム氷河トレッキング
【トレッキング実施済プラン】
※ 歩く人に合わせた高度順応を実施! 高山病の症状を軽く、早期に回復することに繋がります。
※ 旅仲間に自慢できる、知られていない国境線上のヒマラヤ山群展望が抜群!
1.カトマンズ ➡ ルクラ ➡ パグディン
2.パグディン ➡ ナムチェバザール (3400m)
3.ナムチェバザール ➡ キャンズマ(3400m) ※ 1回目の順応日
4.キャンズマ ➡ モンラ峠 ➡ ドーレ(4000m)
5.ドーレ ➡ マッチェルモ ※ エベレストの頂が見える
6.マッチェルモ 散策 ※ ブルーポピーがほほ笑む ※ 2回目の順応日
7.マッチェルモ ➡ ゴーキョ ※ ブルーポピーが見られる
8.ゴーキョ散策 ※ウルップソウなど数十種類が見られる
9.ゴーキョ ➡ レンジョ峠 ➡ ルンデン ※ワタゲトウヒレンの群落が見られる
10.ルンデン ➡ ユリア
11.ユリア ➡ スナム氷河
12.スナム氷河 散策 ※可憐な高山植物が数十種類が見られる
13.スナム氷河 ➡ ルンデン
14.ルンデン ➡ ターモ
15.ターモ ➡ チュモア
16.チュモア ➡ ルクラ
17.ルクラ ➡ カトマンズ
お問い合わせ
ヒマラヤトレッキング・登山専門 サパナ
077-534-5469 または info@sapanatrek.com 担当 浅原